今にも雪が降り出しそうな空のもと、僕は道なりに迷い無く惑いなく、血管を流れる血栓の如く。出張からの帰り道、のぞみ50号5号車12番A席にて記す。

件の細野さんのラジオ番組”Daisy Holiday!“、毎回録音して繰り返し聞いている。ゲストミュージシャンとの何気ない対話が味わい深く。

詩人・砂原燎氏の作品3点が届いた。どれも飛び抜けて新しい趣向かつ視覚的にも楽しめて、あまりの素晴らしさに目がくらみ倒れそうになる。

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Thank you, Mr.J.

神保町交差点から白山通りを左へ、神田すずらん通りを歩いている。その昔この近くのオフィスで働いていたこともあり、懐かしさばかりが込み上げる。訪問先の古いビルの1Fロビーで時間を無為にしていると、目の前を洋紙のサンプルや原稿を抱えた人たちが頻繁に行き来する。出版=ものづくりという感覚を呼び覚ます光景、オールドメディアと呼ばれて久しいが、この街はコンテンツと装丁デザインとの関係性が今も変わらずハーモニアス。

武蔵境で下車、かえで通りを歩いている。緩やかな陽射しに現実から遊離していく街並み、その南に総合園芸「舟木園」。様々な植物が販売されている中で椿の苗木を物色、椿だけでも外国種併せて300種類、その中で「秋の宴」を選択。そんなガーデンプレイスのアンサンブルを彼方に電車庫通りを三鷹方面、秋の陽の余白は限りなく。