二月の鈍色の空の下、鳶色の貨物列車が走り抜ける。その様子を眺めながら、胸元の神経の束を正順に並べ替える。

中野で師匠とセッション。(師の)新作レコーディング裏話。最近はアンプヘッド→ロードボックス→オーディオインターフェイス→PC、といったマイクを介さない録り方がトレンドらしい。自宅で(小音量で)Recできるのがメリット。終了後、馬場のスタジオへ移動、スタジオには入らずロビーで新曲のVo見直し。

最終のフライトで帰京。見慣れた光景が少しだけ他人の顔で、改札の向こうに佇んでいる。そっと差し戻された荷物、夜の端で覚醒する荷物。とにかく疲れた。

ホテル。名前を告げると僕は番号に変換されカードキーに書き込まれる。エレベーターの鏡の中にもうひとりの無言が立っている。静かすぎる廊下は足音さえそよ風のようになびかせる。ドアを閉めると世界が一枚の壁になる。カーテンの隙間から知らない街の光がにじむ。それはきっと誰かの生活からこぼれ落ちたもの。ここだけが一時停止中、ニュースも天気予報も僕を特定しない(未完)

高松にいる。瀬戸内海から吹きつける風が途轍もなく冷たい。仕事は適当に、旬の地魚と地酒で抗うしかなかろう。