風が空から落ちてきた。日が傾くと大気は急速に硬度を増して、月に手をかざせば都市が透けて見える。滲むネオン・サインの一字一句が現実のような夢と、夢のような理想との波間に揺れている。才知と体力があれば泳いでいけるはずなのに。

指の間をすり抜けるように、日々がこぼれ落ちていく。低空飛行するつばめが視覚の頂点へ、匂い合う季節を素描するかの如く。

これを聴いていた。

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Julian Lage『View With A Room』(2022)

車輪のきしり響かせながらどこまでも続く貨物列車。風と雨に洗われて、線路沿いの雑草が爽爽しいエメラルドグリーンに萌えている。

日曜日の昼下がり、自転車で神楽坂界隈をを走行中。できるだけ遠く高いところへ、たとえば想像の彼方へ。閃きだけを求めて、追求から逃れろ。

朝、仙台から車で石巻へ。午後まで何やかやと予定をこなし、帰りの新幹線まで少し時間があったので地元の皆さんが被災地の「今」を案内して下さった。

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津波浸水深6.9m

出張で仙台へ。久し振りの東北新幹線、時速320km。日が暮れて明日、行動を共にする浪花ダンディーズと共に仙台駅周辺で地酒、地のもの、夜更けまで。