風洞と化した胸元を懐かしい旋律が通り過ぎていく。一音毎に微動しながら、未完のオブジェが白黒フィルムの陰影で語り始める、その声を聴いている。

仕事帰り、薄ら寒い京王線車中にて記す。

娘の模擬試験会場送迎、最終回は立教大学。自宅から路地を歩いて向かうが日陰続きでとても寒い。立教通りに出ると祭日だというのにあちこちに中高生の姿、部活動か発表会か。皮膚を刺すような寒さと新しい朝の光の中で、エネルギーが響き合ってあちこちに冴え渡っている。

少し前にMacBookPro2017のOSをインストールし直したんだけど、結果頗る調子が良くなった。だけど最新のVer.14はこのモデルにはサポート対象外とのことで一つ前のVer.13を入れてあとは壊れるまでこの環境で動かし続けるしか無い運命であることを知ることとなり、若干心を痛めている。

そのクリーンな環境下でデモ音源製作に向けて打ち込みを始めている。コンパクトに作業したいので32鍵のMIDIキーボードを導入、しかしイヤホン付けっ放しは耳が辛い。作業スペースが欲しいなぁ、と。

馬場で師匠とセッション。テーマは何と、Edward Van Halen。そのままではとても弾けないので(苦笑)、ぐっとテンポを落として一音一音丁寧に拾っていくことから始めている。しかし彼(ハードロック、ジャズからクラシックまでさらりと美しく弾いてしまう)に教わらなければ一生関わらなかったであろうジャンル、タッピングがなかなか体得できずもどかしいけど。

地震に伴う事業影響を調べていたら胸のざわつきが止まらなくなってしまった。仕事始めだというのに仕事が手に付かない。

戦争やインフレに加えて地震、事故まで起きてしまったのだから、心穏やかならざるのはやむを得まい。この曲をリピートしながら気を紛らわす。

Image
Bob Dylan『Series of Dreams』(1989)