江古田の森、外周コースをゆっくり走っている。この狂った夏を経て、体力が極端に落ちてしまった。心臓が弱っているのがその要因、日常生活は問題無いんだけど負荷が掛かるとそれを分散する機能が働かない。なので慎重に走る、するとサッカーボールが向かいから転がってくる、スルーして少年たちの期待を裏切った今。


製作中の楽曲の構成を確認したくて、散歩。代々木駅で下車して代々木公園方面。参宮橋あたりから小田急線の線路に沿って西へ。小節数を数えイントロを繰り返しながら代々木上原界隈。西日がきつくなったので折り返し、やがて目眩に気分が悪くなり(常用している薬の副作用だ、きっと)代々木公園駅付近のベンチで休憩。急激に迫り来る闇に慌てて原宿まで歩いて山手線に乗る。いや、Rec開始前までにアレンジを100%近いところまで詰めておきたいのだ、これまでの行き当たりばったりな進め方を改めようと。

今週は京都、大阪方面で仕事して帰京中。昨夜はつきあいで深夜まで呑んでしまいへろへろ。しかも関西方面の人出の多さは尋常じゃない、暑さと人いきれにエネルギーを吸い取られてへろへろ。

中野のスタジオで師匠とセッション。ギターが2本重なると、聴力が落ちていることもあり音域によっては聞き分けが困難になる。例えば自分の弾くチョーキングの音程がずれている、しかし師匠は「いー感じじゃないですか!」と言う。しかし僕の耳には狂って聴こえるのだ。eelleにギタリストがいない理由はこれ。

代々木八幡から富ヶ谷一丁目通りを渋谷方面に向かって歩いている。日没間際の優しい光に彩られた街並み、その芸術的な雰囲気に足取りも軽い。各店先には個性溢れる鉢植えの数々、初夏の名残を抱いたままの紫陽花が色褪せて揺れている。渋谷に近づくと街全体がやわらかく輪郭を失っていく、そこで折り返して宇田川遊歩道へ。小さなカフェから氷の当たるグラスの音が聞こえる。さざめきが風に乗っては消えていく。一日の終わりと一日の始まりが静かに手を取り合い光を交歓しているように見える。