枯れた月にほんのり煙る夜の小景、僕の肌は敏感に湿度を読み取る。コンクリートの階段を降りてギネスを1パイント、それがいつもより苦く感じるのは暗がりのヴィジョンに倦んでしまったからなのかもしれない。

重たい扉を開け、表へ。賑わう水曜日の街角にあって僕はただの散在物にすぎない。すると、激しく喉の渇きを覚え始める。