僕にまとわり付いて離れようとしない抽象的な哀しみ。それはエゴイズムと自惚れがこびりついた暗礁、蝶番が外された蒙昧の罠。しかしそれは創造の源泉でもある。九頭蛇や牛頭人身獣だらけの肺病病みなこの世界にあって、それは着実に僕を脈打たせる懐疑と希望のメカニクスを司っているのだ。