欲望する都市のバイオレットを縫うように飛び交う羽虫。夜の口径で旋回する夢幻のプロペラ。
アコースティック・ピアノとエレクトリック・ギターの協和音。森の朝と黄濁した波とのアンサンブル。
疲労にまみれたマテリアル・シティの残響。雨音はそれを掻き消しながら、街灯が優しく滲んでいる。
のぞみ94号東京行き13号車9番E席にてメモ。
欲望する都市のバイオレットを縫うように飛び交う羽虫。夜の口径で旋回する夢幻のプロペラ。
アコースティック・ピアノとエレクトリック・ギターの協和音。森の朝と黄濁した波とのアンサンブル。
疲労にまみれたマテリアル・シティの残響。雨音はそれを掻き消しながら、街灯が優しく滲んでいる。
のぞみ94号東京行き13号車9番E席にてメモ。
品川駅は帰省客、外国人観光客でごった返していた。改札前の電光掲示板には遅延と発着の情報がせわしなく書き換えられ、アナウンスが同じ言葉を何度も繰り返す。大きなスーツケースが人の流れに逆らう度に空気が僅かに歪むような感覚。その緊迫感が時々途切れ、ホームに新幹線の低い唸りが響き渡る。実家に向かおうとしているところ、それは出発の合図というより、思考を中断させるための音のように聞こえる。
夕方、代々木のスタジオでeelleリハ。新曲2曲のアレンジ、ほぼまとまる。来月もう一回リハやって2月からRec、ということになりそうだ、エンジニア・Kさんの予定次第だけど。終了後は駅近くの居酒屋で忘年会。
今年最後の仕事を終え、新幹線で帰京中。新曲「アンチロジック・ヒプシュタイン」に関する空想、空疎メモ。
アンチロジックとは、エーリッヒ・ヒプシュタイン(架空の思想家)が提唱した近未来的概念。それは非論理ではなく、論理が成立してしまうことへの抵抗。「論理とは世界を理解するための道具ではなく、世界を”静止画”に変換するための暴力である」。アンチロジックとは矛盾、沈黙、曖昧さを欠陥ではなく主体性の証明として扱う態度である。彼は意思決定、倫理、感情などあらゆるものが数値化される世界に対し「人間の内部にはいかなるモデルにも属さないノイズの核が存在する」と主張した。
ロジックとは、人間の内的経験とは無関係に発達した外部装置である。
一貫性は支配の痕跡である。一貫した言動、価値観は監視システムに適合しているだけに過ぎない。「一貫している人間ほど、既に他者の言語で生きている」。
ブラックボックス的人間(Black-Boxed Human)。「説明可能な思考とは、すでに他者に引き渡された思考である」。
破綻した思考だけが、記録に抵抗する。論理的に破綻した、結論に至らない、自己矛盾、等々。それらはログ化、モデル化を拒否する。自由芸術にとっての「最後の砦」。