久しぶりに慶應病院。先ずは聴力検査、その後オージオグラムを見ながらO医師と対話。結果は前回とほぼ変わらず、またチタン製耳小骨の認可が(厚生労働省の都合で)遅れているらしく再手術はそれ次第、4月に改めて状況を見ながら今後のことを相談することになった。心待ちにしています、と伝え信濃町を後にする。

2年前に手術して人工耳小骨に置き換えた結果、(生まれてこの方)殆ど聞こえていなかった右の聴力が若干改善され補聴器無しでも日常生活には困らない程度に復活。2Khzあたりはそれなりの聴力があるので会話は(人によるけど)問題なし。音楽だとVoトラックは問題ないけどその前後の音域が極端に落ちているのでピアノ、オルガンの倍音など微妙な音程が聴き取れない。ヘッドフォンならOKだけどスピーカーで聴く場合は楽器、音色、アレンジ、MIXによっては音がグニャグニャになってしまう。リハーサルスタジオもできるだけ広めの、デッドな音響なところを選ぶようにしている。その逆だと各楽器の分離感が崩れてグシャグシャに聞こえてしまうんだよ。

…ということで再び悶々と、待ち状態。

何もしていないと頭蓋が仕事に占領されるばかりで腹が立つので新幹線で移動中、新曲のタイトルを考えてみる。

『アンチロジック・ヒプスタイン』(Anti-logic Hypstein)

アンチロジック・ヒプスタインとは「世界は合理性ではなく、矛盾の連鎖によってのみ成立する」と仮定する20世紀に消えた謎の思想家、ヒプスタインによる理論体系である。彼の学説では「矛盾は欠陥ではなく、世界そのものの生成力である」とされている..

=論理を逸脱する仮説体系、あるいはその創始者
=矛盾の上に建つ思考装置/虚構哲学

これを聴いていた。

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Jim Campilongo『Dream Dictionary』(2014)

午後、中野で師匠とセッション。引き続きLarry Carlton”(IT WAS)ONLY YESTERDAY”。譜面に表し出せない音像の表現方法。あまりにも奥深く、師匠の提案により次週延長戦を行うことに。


出張帰り、3号車12番E席にてこのテキストをタイプしている。社会から少し外れた側道を進んでいるような感覚。街の明かりと郊外の闇が溶け合いながら、同じ速度で遠ざかっていく。車輪とレールが噛む音が聞こえる、そろそろ次の灯が近づいているようだ。戻るべき場所と、戻りきれない場所。その狭間で列車は一定の速度を保って進んでいく。

これを聴いていた。

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Rain Tree Crow『Rain Tree Crow』(1991)


新宿西口でeelleリハーサル。新たなアイデア、一方で何かが足りない。もう少し粘ってベストなアンサンブルを探ることに。終了後は付近の居酒屋でおつかれさま。