大阪にいる。インバウンドな人々で溢れかえる駅を足早にヘイ・タクシー。鈍色の空に伸びるビル群を尻目に地下深く。寒い。
どこかの空に、七色ではない虹が架かる。夜空の星々を映した銀河の虹。誰かのファンタジーが翻訳された夢幻の虹。風のささやきに揺らめく水蒸気が色を帯びた透明な虹。そんな虹に背を向けて全力で走ったはずなのに、ゴールはどこにも無かった。努力はしたけれど手のひらに残るものは何も無かった。一体何を求めて疲れ果てたのだろう、虚しさを抱えたまま、それでもまた朝が来る。昨日と同じ景色、昨日と同じ空気、何かが変わるわけでもなく、ただ時間だけが進んでいく。そしてまたどこかの空に、七色ではない虹が架かる。

