アブサン色のたそがれ ショーウインドウの中の都市
光のぬけがら 混沌のモノトーン
うそ寒くウィスキーを口に含むと 匂い立つ複雑な世界
視界は次第に暗鬱と 雨音ばかりがからみつく
「夢見ねばならない」とレーニンは言った。
「行動せねばならない」とゲーテは言った。
苦悩が頂点に達したとき、我々は解放されるという。しかしそこにある、本質的矛盾と根源的無。
バーカウンターでウイスキーと共に去りぬ、我が妄想の日々。
これを聴いていた。

Bill Evans Torio『Moon Beams』(1962)
薄暗い酒場、金色のウィスキー。虚しい人生、それも立派な旅である。
「私は楽しいことがあっても嫌なことがあっても、心に振動が走ります。私は変化に弱いようで、いつも心が震えて疲れます。淡々と悟りが開けたら、きっと楽なんでしょうね」。
心理的な傷口と物理的な穴。そのイメージに囚われながら、パイプオルガンの圧巻、ステンドグラスの円環。
あはれ秋風、天空に穴を掘れ。


