代々木八幡から富ヶ谷一丁目通りを渋谷方面に向かって歩いている。日没間際の優しい光に彩られた街並み、その芸術的な雰囲気に足取りも軽い。各店先には個性溢れる鉢植えの数々、初夏の名残を抱いたままの紫陽花が色褪せて揺れている。渋谷に近づくと街全体がやわらかく輪郭を失っていく、そこで折り返して宇田川遊歩道へ。小さなカフェから氷の当たるグラスの音が聞こえる。さざめきが風に乗っては消えていく。一日の終わりと一日の始まりが静かに手を取り合い光を交歓しているように見える。