風が空から落ちてきた。日が傾くと大気は急速に硬度を増して、月に手をかざせば都市が透けて見える。滲むネオン・サインの一字一句が現実のような夢と、夢のような理想との波間に揺れている。才知と体力があれば泳いでいけるはずなのに。