はっと息をのんで、次の呼吸のタイミングについて考えている。するとテープが巻き戻されるかようにイメージが退行し、昔観たフランス映画のワンシーンで停止する。しなくてもよい論争、記さなくてもよい言葉。不安にずきりと胸を突かれ、心の中から何かが落下していくような感覚。

これを聴いていた。

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坂本龍一『1996』(1996)