言語芸術家・カトウジン氏が某所で僕の古いテキストを紹介してくれているので以下転載。 当人はすっかり忘れてました。

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13年前、北京発モスクワ行の国際列車車中で実際に体験したこと。
北京を出発してから48時間、モンゴル国境を越えたイルクーツク駅で僕は腕時計をソビエト公式時間に合わせようと、ノートに文字盤がその時指し示していた10時45分ではなく08時45分に国境を越えた由書き記す。そしてノボシビルスク駅には翌々日の午前05時30分(標準時間帯に合わせて遅らせた僕の腕時計によれば)に到着した。しかし国境を、そして州を越える度に料理人が入れ替わる食堂車の時計は03時30分を指し示し、更にその時同席していたロシア人は「今の時刻は午後02時30分」だと言う。僕はもう何が何だかわからなくなって気が狂いそうになる。

注記>>>

冬のロシアは朝8時頃にほんのり明るくなって、午後3時にはもう真っ暗。更に予定より12時間遅れでモスクワ到着、という超いい加減なダイヤグラム。(2004/05/18)