バンドの近況 ( 2008 / January )

ライブ活動はしばらくお休み、レコーディング&アルバムリリース予定で諸々準備中です。しばし待たれよ。

詩誌δ (デルタ) 23号に詩人・菊池肇氏による「アイデンティティー泥棒」評、掲載。( 2006 / September )

★以下菊池氏の許諾を得、詩誌δ(デルタ)  http://www.geocities.jp/shishidelta/より転載するものです。

eel 『アイデンティティー泥棒』

  新たなギタリスト・湯川洋一を迎えたことによって, eelはこれまで以上に緻密で力強いサウンドを獲得することに成功したようだ. 通算三枚目となるアルバム『アイデンティティー泥棒』が, それを証明している.

  それにしても, 作詞作曲を担っている吉田大輔の, 彼が抱え, 見つめている闇は, いったい何処までつづいているのだろうか. 欺瞞と喧噪がひしめく時代に在って, その慌ただしい流れに呑まれまいとして, かえって現実と夢想の狭間へと迷い込んでしまう. そんな孤独の深淵から発せられた言葉が, 痛々しいほど切なく伝わってくる. 「ブルー・ギル」や「Sweet Soul Solitude」での朗読風なモノローグも, 行き場を失って苛立つ"声"が, メロディの心地よさを拒絶しているかのようだ.

こんな小さな街角からも
欲望のオイルが揮発している
僕の言葉は乾いた喉笛を鳴らしながら
その音は君の耳に届くだろうか

(「ブルー・ギル」抜粋)

  eelの作品は, その多くが作者の個人的な体験や記憶に由来しているのかもしれない. だが、今回リメイクされた「きさらぎソング2005」にせよ, 同じくアレンジされ言葉を噛みしめるように唄う「愛するきみのために」にせよ, その'声"は, 同時代に生きる者の, それぞれの孤独へと重なりながら, このCDを手にする人の耳に届くはずである.

(菊池)


ニューアルバムリリース! ( 2005 / December )

  eelさんのニューアルバム『アイデンティティー泥棒』がリリースされました。御所望の方、下の入力フォームよりお申し込み下さい。郵送しますので、郵便番号、住所、お名前をお忘れ無く。製造元(僕です)のコンディションにより発送まで多少時間が掛かるかもしれません。尚、今回も1000円(送料込み)という価格を設定させて頂きます。作品到着後、下記銀行口座へお振り込み下さい。

みずほ銀行 インターネット支店
普通口座 5325620
受取人名 ヨシダダイスケ

注)振込手数料¥105が別途必要です。

重要  振り込みが確認出来ないからといって、こちらから請求することは一切ありません。本当は無料配布で構わないと思っているんです。ですのでこの価格はバンドへのカンパだとお考え下さい。音源製作に要した費用を多少なりとも補填できれば・・・といった程度の気持ちでいます。

アイデンティティー泥棒 (2005/12リリース)
アイデンティティー泥棒 1.きさらぎソング2005
2.ブルー・ギル
3.Sweet Soul Solitude
4.アイデンティティー泥棒
5.愛する君のために(スロー)

ベオジャルミンの凶鳴 (2004/03リリース)
ベオジャルミンの凶鳴 1.Groomy Blue, Groovy Blue
2.Creative Black
(暗黒はクリエイター)
3.幻想都市の軒下で
4.ダークサイド・カフェにて

きさらぎソングス (2003リリース、絶版)
きさらぎソングス 1.きさらぎソング
2.Chapter Zero(Live)
3.宇宙のささやき(Live)
4.バクテリヤ、爛々とウィルス
5.狂区
6.アラン・リヴィエール(Live)
7.愛する君のために

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詩誌δ21号に詩人・菊池肇氏による「ベオジャルミンの凶鳴」評、掲載中。
( 2004 / November )

詩誌δ 詩誌δ18号の「きさらぎソング」評に続き、今回も菊池さんがeelさんの4曲入りアルバム「ベオジャルミンの凶鳴」をcritiqueして下さいました。氏の御了承を得て、ここに転載させて頂く次第です。菊池さん、ありがとうございます!

■詩誌δ(デルタ)  http://www31.ocn.ne.jp/~shishideruta/
■詩人・菊池肇氏のサイト  poetry web site metal tower
(2005/02/26リンク修正)

「ベオジャルミンの凶鳴」 eel

絶えず危機を孕みながら膨張する”現実”と真正面から対峙しなければならないとき, 孤独な”個体”としての表現者は, そこで何を見出し, 何処へ向かおうとするのだろうか. そんな問いに対する答えのひとつとして, eelの新しいCD『ベオジャルミンの凶鳴』を挙げたい.

  駆り立てられたように疾走する「Groomy Blue, Groovy Blue」から力強い朗読がエンディングを担う「ダークサイド・カフェにて」まで, いずれの作品もネガティブな感覚を基調としているのだが, そこには, 絶望を直視する事によって虚無から何かを掴みだそうとする意志が―――言い換えれば, ネガ・フィルムを反転させて光を写し出そうとするような, 秘められた欲求が感じられる.

なだれ落ちる/夕暮れから/舞い上がる/にじむ光/ちりばむ夢
(「Creative Black」抜粋)

そして僕は/闇を超えていく/希望さえ/足下に遠く/屈辱の朝が/紅茶みたいに/染まりゆく/それさえもまぼろし
(「幻想都市の軒下で」抜粋)

  シリアスな言葉と(本来の意味での)プログレッシヴな楽曲・演奏が迫力のある緊張感を生み出していて, トータルなコンセプト・アルバムとしても成功している一枚である. (菊池)


詩誌δ18号に詩人・菊池肇氏による「きさらぎソング」評、掲載。

詩誌δ   このテキストを執筆された詩人の菊池肇氏、そして同じく詩人で編集人の田名部信氏の御了承を得て、ここに転載させて頂くことになりました。ありがとうございます。

詩誌δ(デルタ)
http://www31.ocn.ne.jp/~shishideruta/


以下、原文をそのまま転写するものです。

eel きさらぎソング:CD-R

  歌詞とは,或る意味,今の時代における定型詩のひとつであると言えるだろう.もちろん,まず詞があり,後からメロディーやリズムを加えていくというケースもあるが,旋律という型に言葉(意味)を重ねるという行為に変わりはない.いずれにせよ,それは単にあてはめれば良いというものではなく,実際,多種多様な歌が溢れかえっている昨今,秀れた作品にそう頻繁には出会えないということが,その表現としての難しさを示している.
  eelによる2曲入りCDの表題曲「きさらぎソング」(詞・曲/吉田大輔)は,ひりひりするような剥き出しの"視線"と,"視線"そのものに囚われた心象のあり様を率直な言葉で表現している.そして,そのストレートな表現こそが,この作品を日本語のロックとして秀逸なものにしている.

明日からの帰り道で
なぜか道に迷って
空を仰ぐふりするには
僕の瞳はとまどいすぎた

(「きさらぎソング」抜粋)

  このエア・ポケットに落ちてしまったような無防備で危うい感覚は,紛れもなく,詩を欲求する詩人としての"視点"から生まれている.
  加藤仁のドラミングが拡げる幅のあるリズムに,加藤元が明確なベース・ラインを縫い込んでいき,吉田の奏でるギターは繊細な色彩を施していく.その多分にドラマティックなアレンジによるタペストリーは,後半,テンポ・アップしながら"視線"のゆくえを誘導し,「星が霞んで季節が乱れた/静かに」というフレーズそのままに,静謐感を湛えた迷宮から雑踏(日常)の騒音へと収束していく.(菊池)




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