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僕は今なお闇と取引しようとしている。
光のえくぼと、光の煮凝りと、
脳裏に仄明るい水銀灯。

そういえば帰宅途中の地下鉄東西線、やたらと混み合っていた。
「JR総武線人身事故のため…」荒々しいアナウンスが繰り返されていた。
やがてそれは神主が唱える祝詞のように、豊栄登りの虚空のように、
細長い空洞に残響する無言のざわめきとなって気が狂いそうになる。

慌てて階段を駆け上がり表へ出るとひんやりとした夜気。
粉末状の思いがぱさぱさと風に流されていく。

…そう言えば何のために生きているのかわからないままだった。
考え込むばかりで無為に時間が過ぎていく、しかしそれさえも無為である。

もう九月も終わりだな。

(2005/09/30)

逢う毎に優しくなっていくひとが、何故か少しずつ遠い。

僕はなだらかな曲率を思い描きながら、音楽を溶接する。リバーブレートする戯笑を取り除きながら。

きっと虚空に口籠もる遠雷が、まだ仕上がらない縫い目から漏れだしているのだ。

君のいないカテドラルに、さらさらと零れ落ちていく僕の言葉。

(2005/09/29)

言葉は時にジャックナイフのように君の胸を突き刺すが、それはそれを癒す薬にもなる。

花に嵐のたとえもあるさ
さよならだけが人生だ

井伏鱒二の「名言」だそうな。コンニチハ。

(2005/09/28)

夜の冷却装置のなかでひとりうつむいている。逝ってしまった夏のように全てが遠い。

ここに口を開けてある空虚。

(2005/09/27)

地下鉄の車内で憂鬱が吊革にぶら下がっている。階段を駆け上がるとビルディングに明滅する赤いランプ。

月が夜空に滲み出す。街灯が恋を妨げる。そして都市の新しい教会が電気を点けて悲しんでいる。

(2005/09/26)

台風の影響か、強い風が吹き荒れている。そして鈍色の空、肌寒さを覚える程低い気温。

地道にRec作業を続ける。本日は昨夜録ったギタートラックの整理。あっという間に日が暮れる。

孤独はひとのふるさとなり、か。

(2005/09/25)

夕方より馬場のスタジオでユカワのギター録り。凄まじき集中力、深夜まで。

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気合いを入れるユカワ専務

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あーでもない、こーでもない.....

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おもちゃ箱

10月のライブ、キャンセルすることにした。Rec作業に専念するためだ。

(2005/09/24)

自宅でRec作業。しかし途中から得体の知れない不安に苛まれ、何も手に付かなくなってしまう。

不安と孤独の不気味なシンフォニー。時間に時間を掛けたような、飽和乗時間の中でおかしくなってしまいそうだ.....

(2005/09/23)

あの女の胸にひろがる細やかな静脈がそのまま亀裂と化してしまう、あの暗い恐怖を視覚化しておくこと。そんな崩壊のイメージに喚起される底知れぬ虚無の無機物質的な空間、この空虚を言葉と音符を手がかりに必死に埋めていくこと。そして徹底して自己を検証し、自己の内部世界を常時意識化しておくこと。

仕事帰り、Bar BOX。冷凍Aquavit飲みながら、このような仄暗いメモを書き記す。

(2005/09/22)

仕事帰り、南新宿ギャラリーZ。意識がはっきりするにつれて、即ち眠りから遠ざかるにつれてパトロールマンたちの拡声が死の道化のようにリバーブレートする。サン・レオナール・ド・ノブラは朗誦不能な人間博物館。それは地図の座標軸を無為にし、視覚を危うくする程純化されていた。

孤独な乗り換え駅には中庭が必要だ。そして君と語り合うには広場が必要だ。

(2005/09/21)

僕の激しい不安の原因が、この狭く閉じた空間に身をかがめ、その暗い内部の秘密を知ろうとして眺めるのが、実はほかならぬ僕自身の内面なのである、ということに気付いて、僕の目覚めを構成する。

(2005/09/20)

ヴォーカル録りがどうにも上手くいかず、悩む。

今回のRecはヴォーカル的に高難易度な曲が2曲ほどあって。まぁライブだと適当にごまかしながらやるんだけど、レコーディングとなると訳が違うんだな。言葉とリズムの関係に苦悩しつつ、これはアメリカ人の物真似を競い合うだけの、シニフィアンな日本のヒップホップ表現とは全く次元が異なるものだ。なーんて自らを納得させながら、悩む、悩む。

(2005/09/19)

引き続きエディティング作業。ちょっと息苦しくなってきた。どこかへ遊びに行こうと思うが、行く当てもないので家でうだうだ、窒息寸前。

(2005/09/18)

Rec作業三昧。先ずは先日録ったヴォーカルトラックのエディティング。あっという間に日が暮れる。

深夜、馬場のスタジオでユカワのギター録り。「おりゃ〜」と気合いを入れつつ夜明けまで。

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ギターに語りかけるユカワ専務

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あれぇ、音が出ない.....

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挿すぞ、マーシャル!

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PBG4&MOTU828mk2

(2005/09/17)




(傷心.....)


(2005/09/16)

僕は現実的な次元と詩的な次元に住むことを必要とした。そして悲劇とも言えるドラマはこれらの分裂、これら二つの世界を結ぶ不可能性、一方の世界に留まることの不可能性から生じた。創造の状態、つまり非日常の部屋、その窓を開け現実の心配事、社会との約束事を迎え入れるのは劇的であり、また病的なことだ。

何もかもがずぶ濡れになって、境界があやふやになっていく。慌てて鏡の向こうから、自分の領地へと急ぐ。そんな日々の繰り返しに焦燥を覚える。

(2005/09/15)

仕事帰り、高田馬場駅山手線ホームにてユカワに昨夜作成したラフミックスCD-Rとヴォリュームペダルを手渡す。そして今後のRec作業の進め方について立ち話。ひとしきり話した後、同じ到着駅を目指して彼は内回り、僕は外回り電車に飛び乗った。

(2005/09/14)

やっとのことで夏休み、1日だけだけど。

ということで目論見通り、自宅にてヴォーカル録りに専心。残り3曲を一旦録り終える。その後ユカワ用ラフミックスを作成&CD-Rに焼き込んで、僕の短い夏休みはウスバカゲロウ(幼虫は蟻地獄)の如く終了。

有酸素運動60分。敏感な夜が秋の風を小出しにしている。

(2005/09/13)

どうでも良い風が日々鼻腔を通り抜け、肺に吹き溜る。

湿気ったマッチ箱。そんなもんだ、俺の人生なんて。

(2005/09/12)

ヴォーカル録り。自室にマイクスタンド立てて窓閉め切ってカーテン引いて、作業に集中。結果2曲分をG5の内蔵HDに格納する。来週中に無理矢理夏休みを取って残り3曲の歌入れを完了し、来週末からユカワのギター録りにシフト予定。

夕方上京中の母親がやって来て、今夜も一緒に晩飯を作る。アジとイサキの塩焼き、ゴーヤチャンプルーなど。目白通りは秋祭りでとても賑やかだ、選挙には行かなかった。

(2005/09/11)

昨日に引き続き、歌詞の見直し作業。その後ヘッドフォン装着してヴォーカル録り用リハーサル。途中、母がやってくる。一緒に晩飯を作る。

(2005/09/10)

仕事帰り、近所のカフェでビール飲みながら歌詞の練り直し。深夜まで粘ってみるもさほどの閃きは得られず。

ユカワよ、ギター録りもう少し待ってくれ。

(2005/09/09)

連日報じられている水害の有り様を見るに付け、ここは水の惑星、地球なんだなぁ、って思う。

忙しかったこの夏も本日を以て一段落。これからしばらくはRec作業に専心予定。っつうか夏休み、まだなんですけど。

Jのノート #34、到着。

(2005/09/08)

夜 わたしは己を懐妊し
朝 わたしを産む

とある女性詩人の言葉に出会いはっとする。心の暗愁に足を取られてばかりいる僕は、実はそのムードに酔っ払っているだけなのかもしれない。

(2005/09/07)

幻惑されてただ言葉を配列するばかりの君は、いずれ言葉に捕食されるだろう。

___あぁ、ばかばかばか。

(2005/09/06)

この夏は湿度計ばかり見ていた。
湿度と気分の関係がとても重要だった。

独りの共感が、
独りの可能性を産む。

コロニーに響く貝殻の笑い声。

(2005/09/05)

午後、BOXのT氏と共に西武池袋線に乗り込み「HYDEPARK MUSIC FESTIVAL 2005」ヘ、埼玉県狭山市稲荷山公園。会場に到着してM君らと合流、昼間っからビール飲んでさぁ盛り上がろうか、という矢先…

突然の激しい雨。そしてずぶ濡れ。しかし折角来たのだから、と暫く粘る。しかし陽が落ちた頃、精根尽き果て退散することに。

皆と別れへろへろになって電車の椅子に沈み込む。すると携帯が狂ったようにぶるぶる震えているのに気が付いた。どうやら雨に濡れて壊れてしまったようだ、あぁ困った。そこで池袋に到着するや否やずぶ濡れ状態のままDcCoMoショップへ、店員に気味悪がられながら「電源が入らないのでデータは復旧できません」だとさ。で、遣る瀬無い思いで機種変更。

ということで関係各位、携帯番号をメールにてご連絡下さい…

(2005/09/04)

終日自宅で音源編集作業。先ずは先週録った僕のギタートラックを整理、それから各トラックを聴き返しながらイコライザーとリバーブを挿し込んでいく。結果、かなり良い雰囲気になってきた。来週からヴォーカル録りに入れそうだ。

(2005/09/03)

黒い繊維を切り裂きながら
狂音をあげて宙を駆ける風

幾重にも重ねられた幻想は
たくまずして新たなデザインになる

再び夢を灯して、音符が羽を休める時刻

だらしなく夏が終わる

(2005/09/02)

本日より菊秋。九月といえばルー・リードの「セプテンバー・ソング」だが、僕はこの曲を高校生の頃にラジオで一度だけ聴いたっきりだ。後に散々その音源を探し回ったものの、いまだ見つからず。いや、僕が高感度フィルムだった頃の記憶が蘇る季節だなぁ、なんて思ってさ。

するとロラン・バルトの「南西部の光」という、美しい小文が蘇る。「今日は九月一日、素晴らしい天気だ。ベンチに腰掛け、子供たちのように戯れに、片目を閉じてみた。すると大きさの感覚が乱れて、庭の雛菊が真向かいに見える道の向こうの野原にぴったり張り付いてしまったように見える」。

ノスタルジア。エリック・ロメール「緑の光線」。海上で照応し呼応し合う夏のきらめきの、糸游。

(2005/09/01)

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