神保町オフィスでの仕事を終え、白山通りを北に向かって歩いている。タイポグラフィカルな街並み、路地の至る所に原稿を持ち構える人々。

眠っているのに眠っている気がしない。眠りのイメージがくだらない日常に浸食されているかのよう。かつてここは僕の自由な観念が象徴的に寄り集まるところだったはずなのに。

この間、いくつか溜め込んできた曲の断片のひとつを連れ出して近所を散歩。アタマの中でおおよその構成を描き、帰宅してコード譜に落とす。後はメンバーにどう伝えるかなんだけど。

午後、原宿の松下工房へ。Gold Topのフレット交換などを依頼する。製造されてから既に30年以上、特にネック周りの状態がひどくなってしまい、弾きにくいったらありゃしない。で、2週間程度預かってもらうことに。

06:00品川始発の新幹線で西へ。現地の厳しい陽光に、目がくらむことしきり。日没して再び新幹線で東へ、猛烈に忙しい一週間。

都市の雨、雨の都市。赤い光の滲む、黒い蝙蝠傘の群。言葉の飛翔、飛行、非行。

ダーマトグラフの巻き紙を剥がすとダークブルー。硝子窓に「否」と記して様子を見ている。

ぼんやりと、流れる時間を許してやる。

言葉と無限の倍音と。δ誌到着。

帰りの新幹線。品川で降りるつもりが東京駅まで寝過ごしてしまう。大した問題じゃないけど、その事実に軽いショックを受ける。